「アニー」や「ライオンキング」など、商業ミュージカルに出演する「ミュージカル子役」。お友達が出演しているミュージカルを観劇したのをきっかけに「自分もやってみたい」と思う子も多いのではないでしょうか。

このページではミュージカル子役になるために必要な習い事と、オーディションの受け方、大体の流れについて紹介しています。ミュージカル子役になるにはどうしたらいいの?という初心者さんは要チェックですよ♪

ミュージカル子役になるのは狭き門!

何百人の観客の前で歌やダンスを披露し拍手喝采!舞台に立ったお子さんはきっと一生忘れられない思い出になるでしょう。しかし、ミュージカル子役は、ドラマやCMなどの子役とは違いその道は険しく厳しいです。その理由は大きく分けて2つあります。

理由その1.子役が出演するミュージカル・舞台が少ない!

常に何かしらのオーディションを受けるチャンスのある映像系の子役との大きな違いです。

最近では、子役が出演する商業ミュージカル・舞台も増えてきましたが、ドラマやCMなどのお仕事数に比べると圧倒的に少ないです。

ミュージカルや舞台は劇場が必要なため、一年間に上演できる作品の数がある程度きまってしまっています。また、公演が決まったところで子役が出演するシーンがなければ、子役のオーディションもありません。(←当たり前)

理由その2.役柄が限られていて、かつ採用枠も少ない!

ミュージカルや舞台は、一作品に出る子役の役柄と人数が決まっています。

どういうことかと言うと、ドラマなどでは突然脚本や設定の変更により急きょ子役が必要になった時にすぐに声をかけることが可能です。そのためドラマ子役には常にチャンスがあるかもしれないのです。

それに比べ、ミュージカルにはよっぽどでない限り途中で脚本や設定の変更はありません。加えて必ずお稽古があるので、急遽子役を募集することはありません。

基本的に役のあるものを狙って行くことになりますが、一つの役に対して合格するのはたった2人(ダブルキャスト)か3人(トリプルキャスト)であることがほとんどです。
※ただし、子供がメインのミュージカルや舞台だったり、公演期間が長期の場合はそうとも限りません。

さらに、「この役がやりたい!」と目指す役があったとしても、自分がその年齢・身長の時にその作品の上演があるとは限らないのが辛いところですね。

ミュージカル子役になるにはレッスンが必要不可欠!

「ミュージカル子役になりたい=商業ミュージカルに出たい!」という前提で話しますが、商業ミュージカルは発表会ではありません!

お客さんが一生懸命働いて稼いだお金でチケットを買って観劇に来るものです。そのため、「子供だから」という甘えは一切通用しません。ミュージカルや舞台では、制作側や演出家の求めるレベルに達していないとオーディションに合格できません。

そのためにレッスンは絶対に必要です。ミュージカルの基本は「歌」「ダンス」「演技」の3つ。どうして必要なのかさらに詳しく説明します。

もちろん、出演したい作品や目指している役にもよりますが、ミュージカル子役に一番大事なのは「歌」と言っても過言ではありません。なぜならほとんどの商業ミュージカルで募集がある役はほぼ100%歌います。

ミュージカル子役は地声で歌うことが好まれます。ここで気をつけたいのが、喉が締まった地声や幼稚園児のただ大きい声で叫んでいるような地声ではなく、聞いている人が心地よい「パーン!」と張った声や、透き通ったきれいな地声ということ。

正しい地声で歌うには、正しい発声、腹式呼吸が必要です。ミュージカル子役になりたいなら、歌のレッスンは絶対!教室は正しいミュージカルの発声が学べるよう、ミュージカル教室や元ミュージカル俳優の人が教えてくれるところを選ぶことをおすすめします。

ダンス

ミュージカル子役になりたいなら「バレエ」「ジャズ」は習っておくべき!どちらか一つしか習えないなら「バレエ」を選択しましょう。バレエは全てのダンスの基本と言われているくらい重要です。

できれば「TAP(タップ)」も習っておきたいところ。タップが必要な商業ミュージカルは今のところ多くありませんが、できれば大きな強みになります。タップはリズム感を養うのにも最適!

演技

ミュージカル子役は演技力も必要です。歌が上手くてもダンスが上手くても、表現ができなければ観客は感動しません。人の心を動かすには表現力が大事です。表現力を学ぶには演技を学んでおかなければいけません。

また、舞台ではマイクを付けているとはいえ、一番後ろの席まで届く声で演技をしなければなりません。そのためには、きちんとした発声や滑舌を学ぶ必要もあります。

演技も歌同様に、元ミュージカル俳優の人や劇団出身の人が教えているレッスン場に通うと良いでしょう。

ミュージカルの子役オーディションを受ける方法

ミュージカルの子役オーディションを受けるには3つの方法があります。どの方法もメリット・デメリットがあるのでその辺りも紹介していきます。

方法1.一般公募でオーディションを受ける

事務所に所属していない多くの人はこの方法でオーディションを受けることになります。舞台の公式サイトや、情報誌、情報サイトなどから募集内容を確認して、各自で書類を準備し応募します。

メリットは、受けたいものは自由に受けられることです。また出演料は全て自分の手元に入ります。

デメリットは「一般公募をしていない作品のオーディションには参加できない。」ということです。また、何かしらのトラブルを起こしてしまった時も自分の力で解決するしかありません。

方法2.事務所経由でオーディションを受ける

子役事務所や芸能プロダクションに所属している子は、事務所から受けることになります。

メリットは、事務所所属者にしか公開されないオーディションがあるということ。制作側と自分の間に事務所が介入されているということは、制作側としてもメリットが大きいことから非公開オーディションが開催されます。

制作側のメリットって?

「会社 対 個人」よりも「会社 対 会社」の方が解決力が高いですよね。万が一のトラブルを考えた時に解決力が高い方を選びたくなるのは自然なこと。それ以前に、事務所に所属している子は、映像など他の分野で仕事をしている可能性もあり、プロとしての心得がすでにあるので問題を起こす可能性が低いと評価されます。

デメリットは、出演料が事務所と分け分けになる事です。

方法3.レッスン・スタジオ経由でオーディションを受ける

自分の受けている歌やダンスのスクールを経由して受けることもあります。スクールの情報掲示板に張り紙があったり、直々に打診があったりとそのスクールによっても告知の方法は様々です。

ミュージカルの子役オーディションの流れ

ミュージカルや舞台のオーディションの基本的な流れは下記の通り

書類審査→実技審査→コールバック(二次審査以上)→合格発表(後日あり)

ミュージカルの書類審査では、普通の履歴書に加え、レッスン歴を書くことが多いです。習っている先生の名前(またはスクールの名前)や習っている年数などは把握しておきましょう。

また、コンテストなどで入賞した経験などは自己PR文でどんどんアピールしましょう!

書類通過のコツはこちらの記事で紹介しています♪

実技審査では予め渡された課題を審査します。じっくり審査するオーディションから、とりあえず一次はイメージだけを見るオーディションなど様々です。

二次審査(コールバック)では、課題に演出がついたり、違う課題をしたり、一次よりもじっくり審査します。

合格発表はその場の場合で発表となるケースや、後日となるケース様々です。

明日のミュージカル子役を目指して一歩ずつ

何でもそうですが、ミュージカル子役も「なりたい!」と言って明日すぐになれるものではありません。一つ一つの積み重ねがとても大切です。

子供が壁にぶつかった時のフォローはもちろん、習い事の送迎やレッスン費など、親の負担も大きいので、子供メインで動く位のスタンスでいないと商業ミュージカルは難しいです。その分、もしも合格したらその時の喜びは半端ないです。

ミュージカル子役とその親は二人三脚で、焦らずに一歩ずつ基礎を積み重ねていきましょう。